著作権の権利ガイド 著作権(財産権)
複製権(著作権法第21条)
複製権は、作品を「コピーする」ことについての権利です。著作権の中で最も基本になる権利なので、最初に取り上げます。
このページの内容を、スライドと音声でまとめた動画です。ナレーションの音声はAIで生成しています。一般的な制度の説明で、法律相談・法的助言ではありません。
1概要
ひとことで言うと
(著作物)
(複製物)
自分でコピーできる。人にコピーさせるかどうかも決められる
原則として、権利者の許諾があればコピーできる
複製権は、作品をコピーすることを、著作者だけができるようにする権利です。
ほかの人がコピーするには、原則として、権利を持つ人の許諾が必要になります。
ただし、許諾がなくてもコピーできる場合が、法律に定められています。これは最後に見ます。
2条文
条文を読む(第21条)
(複製権)第二十一条
著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
条文はたった1文です。4つのかたまりに分けて読みます。
「著作者は」は、だれが持つ権利か。「その著作物を」は、何についての権利か。
「複製する権利を」は、どんな行為についての権利か。
「専有する」は、ひとりじめする、という意味です。ほかの人は、許諾なしにはその行為ができません。
- ・著作権(財産権)は人に譲ることができます(第61条)。そのため、いま権利を持っているのが著作者本人とは限りません。
3条文
「複製」とは何か(第2条第1項第15号)
(定義)第二条(第1項第15号だけを抜粋)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 十五 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
- イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
- ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
形のある物に作り直す
次の2つも「複製」に含む
上演・放送・有線放送を、録音・録画すること
建築の図面に従って、建物を完成させること
「複製」という言葉の意味は、第2条の定義に書かれています。
印刷、写真、複写、録音、録画などの方法で、「有形的に再製する」こと。つまり、形のある物に作り直すことです。
さらに、2つの場合が複製に含まれると定められています。
脚本の上演や放送を録音・録画すること。そして、建築の図面に従って建物を完成させることです。
4行政資料
文化庁の説明
著作権法を所管する文化庁は、毎年「著作権テキスト」という解説を公表しています。
テキストでは、複製権を「最も基本的な権利」と呼び、すべての著作物が対象になると説明しています。
コピーの方法は問わないとされ、手書きや写真撮影、パソコンやサーバーへの保存も例に挙げられています。
生の講演を録音したり筆記したりすることにも、複製権が働くと説明されています。
出典
- 文化庁「令和8年度 著作権テキスト」 14ページ
「複製権」は、著作者に与えられた最も基本的な権利であり、全ての著作物が対象となります。
- 文化庁「令和8年度 著作権テキスト」 10〜11ページ(著作者の権利の全体図)
- 文化庁「はじめて学ぶ著作権」
5図解
形に残るか、残らないか
- 紙に印刷する
- コピー機で複写する
- 写真に撮る
- 録音する・録画する
- パソコンやサーバーに保存する
- 手で書き写す
- 演じる・演奏する上演権・演奏権(第22条)
- スクリーンや画面に映す上映権(第22条の2)
- 放送・インターネットで送る公衆送信権・公の伝達権(第23条)
- 朗読する口述権(第24条)
- 原作品を展示する展示権(第25条)
複製権のポイントは、「形のある物に」作り直すかどうかです。
紙に印刷する、ファイルに保存する、といった形に残る利用が、複製に当たります。
一方、演奏する、映す、インターネットで送る、展示する、といった利用は、形に残しません。
これらは複製権ではなく、別の権利がそれぞれ受け持っています。
1つの行為に、複製権と別の権利の両方が関わることもあります。
6図解
許諾がなくてもコピーできる場合
その条件をすべて満たすか
例:私的使用のための複製(第30条)
条件は、条ごとに異なります。
著作権法には、権利者の許諾がなくても作品を使える場合が定められています。これを「権利の制限」と呼びます。
代表的なのが、自分や家族など限られた範囲で使うためのコピーです(第30条)。
ただし、それぞれに細かい条件があり、条件を外れると許諾が必要になります。
権利の制限は、別のページでくわしく扱う予定です。
出典
- 文化庁「令和8年度 著作権テキスト」 63ページ以下(権利の制限の章)
7まとめ
まとめ
複製権について、3つのことを押さえておきましょう。
- ・複製権は、作品を形のある物に作り直す(コピーする)ことについての権利で、著作者が「専有」する(第21条)。
- ・「複製」には、印刷・写真・複写・録音・録画のほか、方法を問わず形に残すことが広く含まれる(第2条第1項第15号)。
- ・許諾なくコピーできる場合(権利の制限)もあるが、それぞれに条件がある(第30条など)。
この権利に関わる法改正
ほかの権利
著作者の財産的な利益を守る権利。人に譲ったり、相続したりできる
【試作】このページの条文は、e-Gov 法令検索の原文との確認がまだ済んでいません。順に取得し直します。その後の改正は反映されていないことがあります。引用や判断の根拠にする前に、e-Gov 法令検索で最新の条文を確認してください。行政資料の記載は、各資料の原文で確認してください。このページは著作権制度の一般的な説明で、法律相談や個別の事案についての法的助言ではありません。