著作権の権利ガイド テーマ別:ネット上の侵害
ネット上の著作権侵害と発信者情報開示:手続の全体像
インターネット上で作品が無断で使われたとき、どの権利が問題になり、どのような手続があるのか。著作権法と、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)の条文から、全体像を見ていきます。
1概要
ひとことで言うと
ネット上で作品が無断で使われたとき、まず問題になるのは、公衆送信権(第23条)や複製権(第21条)、氏名表示権(第19条)などの著作権法上の権利です。
投稿した人がだれか分からない場合のために、情報流通プラットフォーム対処法は、プロバイダなどに対して、発信者の情報の開示を求める仕組みを定めています。
このページは、手続の全体像を条文から紹介するものです。個別の事案についての助言ではありません。
2条文
ネット上の利用で問題になる権利
(公衆送信権等)第二十三条
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
作品をアップロードして、だれでも見られる状態にすることは、公衆送信(送信可能化を含む)に当たります。
作品に入っていた名前を消して表示すると、氏名表示権が問題になります。最高裁は、SNS での再投稿で写真の名前の部分が切れて表示された事案で、氏名表示権の侵害を認めた原審の判断を維持しました。
公衆送信権の詳しい説明は、公衆送信権のページ(初級・中級・専門家)にあります。
3条文
発信者情報の開示請求(情報流通プラットフォーム対処法 第5条)
情報流通プラットフォーム対処法第5条は、権利を侵害されたとする人が、プロバイダなどに対して、発信者情報の開示を請求できる場合を定めています。
第8条は、裁判所が、申立てにより、決定で開示を命ずることができると定めています(発信者情報開示命令)。令和4年の改正で設けられた手続です。
条文の本文と、関係する条文のつながりは、条文ナビにまとめています。
4条文
意見照会(第6条):発信者の側から
第6条第1項は、開示の請求を受けたプロバイダは、発信者と連絡できない場合などを除き、開示に応じるかどうかについて、発信者の意見を聴かなければならないと定めています。
開示に応じるべきでないという意見の場合は、その理由も含めて聴くとされています。
第2項は、開示命令を受けたときは、反対の意見を述べた発信者に、遅滞なくその旨を通知しなければならないと定めています。
5行政資料
総務省・文化庁の資料
総務省は、情報流通プラットフォーム対処法の解説やガイドラインを公開しています。条文ナビの各条のページに、関係する公的資料へのリンクを置いています。
文化庁の「著作権テキスト」は、インターネット上の著作物の利用と、著作権侵害への対応について説明しています。
出典
- 条文ナビ:情報流通プラットフォーム対処法(発信者情報開示)
- 文化庁「令和8年度 著作権テキスト」 インターネット上の利用と侵害への対応を説明した部分
- e-Gov 法令検索「著作権法」
6まとめ
まとめ
このページのポイントは、次の4つです。
- ・ネット上の無断利用では、公衆送信権・複製権・氏名表示権などが問題になる。
- ・発信者がだれか分からない場合のために、情報流通プラットフォーム対処法が、発信者情報の開示の請求と開示命令の手続を定めている。
- ・開示の請求を受けたプロバイダは、原則として発信者の意見を聴く(意見照会)。
- ・条文の本文と、関係する公的資料は、条文ナビ(/kaiji)にまとめている。
ほかの権利
著作者の財産的な利益を守る権利。人に譲ったり、相続したりできる
【試作】このページの条文は、e-Gov 法令検索の原文との確認がまだ済んでいません。順に取得し直します。その後の改正は反映されていないことがあります。引用や判断の根拠にする前に、e-Gov 法令検索で最新の条文を確認してください。行政資料の記載は、各資料の原文で確認してください。このページは著作権制度の一般的な説明で、法律相談や個別の事案についての法的助言ではありません。