著作権の権利ガイド テーマ別:ネット上の侵害
ネット上の侵害の裁判例(中級)
ネット上の利用で問題になる権利について、最高裁の判断を見ていきます。開示の手続そのものの論点は、条文ナビで扱います。
このページの判決文の引用は、裁判所ウェブサイトの PDF をもとにしていますが、原本との文言の照合がまだ済んでいません。照合前の引用には「原文照合前」と表示しています。正確な文言は、各判決の全文で確認してください。
A. SNS での再投稿と氏名表示権
問い
自分では画像をアップロードしていない再投稿でも、権利の侵害になるか。
答え(要点)
再投稿によって、写真の名前の部分が切れた形で表示された事案で、氏名表示権の侵害を認めた原審の判断を維持した最高裁判決がある。
最高裁は、氏名表示権の「公衆への提供若しくは提示」は、第21条から第27条までの権利に係る利用によることを要しないとしました。
そして、閲覧者がクリックすれば名前の入った元の画像を見られるとしても、通常クリックされるとはいえないなどの事情から、再投稿した人が著作者名を表示したことにはならないとしました。
最高裁判所第三小法廷 令和2年7月21日判決(平成30年(受)第1412号)
いわゆるリツイート事件
事案
[写真家]が撮影し、隅に自分の名前を表示した写真が、無断で SNS に投稿されました。さらに、その投稿を自分のアカウントで再投稿(リツイート)した人たちがいました。
再投稿の表示では、画像の上下が切れて表示され、写真家の名前の部分が見えない状態になっていました。[写真家]が、氏名表示権の侵害などを理由に、SNS の運営会社に、再投稿した人の発信者情報の開示を求めました。
裁判所の判断
第19条第1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は、第21条から第27条までの権利に係る著作物の利用によることを要しないとしました。
名前の部分が切れた画像が表示されている場合、閲覧者が画像をクリックすれば名前の入った元の画像を見られるとしても、それは別のページでしか見られず、通常クリックされるともいえないなどとして、再投稿した人が著作者名を表示したことにはならないとしました。
そのうえで、開示の請求を認めた原審の判断を維持し、上告を棄却しました。
判決文・裁判要旨から
裁判要旨「著作権法19条1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は,同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要しない。」原文照合前
B. 開示の手続の論点
問い
開示の要件や手続については、どこで読めるか。
答え(要点)
条文ナビ(/kaiji)に、情報流通プラットフォーム対処法の条文と、関係する公的資料をまとめている。
発信者情報の開示の要件や、開示命令の手続の細かな論点は、条文ナビで、条文と公的資料に沿って扱います。
このガイドでは、著作権法の側から見た全体像の紹介にとどめています。
もっと詳しく
判決文の言葉に沿った整理は、専門家のページにまとめています。
判決の整理は、判決文に書かれていることをまとめたもので、評価や、個別の事案への当てはめを示すものではありません。法律相談・法的助言ではありません。
【試作】このページの条文は、e-Gov 法令検索の原文との確認がまだ済んでいません。順に取得し直します。その後の改正は反映されていないことがあります。引用や判断の根拠にする前に、e-Gov 法令検索で最新の条文を確認してください。行政資料の記載は、各資料の原文で確認してください。このページは著作権制度の一般的な説明で、法律相談や個別の事案についての法的助言ではありません。