著作権の権利ガイド テーマ別:職務著作・帰属
職務著作と権利の帰属:社員や外注先がつくった作品は、だれのものか
会社の仕事でつくった作品や、外部に頼んでつくってもらった作品の著作権は、だれが持つのか。職務著作(第15条)と、著作権の譲渡(第61条)を見ていきます。
1概要
ひとことで言うと
- 条件を満たせば職務著作(第15条)
- 会社が著作者になる
- 著作者人格権も会社が持つ
- 原則として、つくった人が著作者
- 会社が使うには、譲渡か利用許諾の契約
- 著作者人格権は移らない
著作権は、原則として、作品をつくった人(著作者)が持ちます。お金を払って頼んだ人が、自動的に持つわけではありません。
ただし、社員が会社の仕事としてつくった作品は、条件を満たせば、会社が著作者になります。これを職務著作といいます。
外部に頼んでつくってもらう場合は、契約で著作権を譲り受けるか、使ってよい範囲を決めておく必要があります。
2条文
職務著作(第15条)
(職務上作成する著作物の著作者)第十五条
法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
第15条第1項は、会社などの発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成し、会社の名義で公表する作品は、契約や就業規則に別段の定めがない限り、会社が著作者になると定めています。
プログラムの著作物は、会社の名義で公表しなくても、会社が著作者になります(第2項)。
「業務に従事する者」に当たるかは、雇用契約書があるかどうかなどの形式だけでなく、実態から判断されます。
3条文
著作権の譲渡(第61条)
(著作権の譲渡)第六十一条
著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
2 著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。
著作権は、全部でも一部でも、他人に譲渡できます(第61条第1項)。
ただし、契約で、翻案権など第27条の権利と、二次的著作物の利用に関する第28条の権利が譲渡の目的として特に書かれていないときは、これらの権利は、譲渡した人に残ったものと推定されます(第2項)。
そのため、「著作権をすべて譲渡する」とだけ書いた契約では、改変や続編などに使う権利が移っていないとされることがあります。
4図解
著作者人格権は移らない
著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は、著作者だけが持ち、譲渡できません(第59条)。
そのため、外注の契約では、著作権の譲渡に加えて、著作者人格権を行使しない旨を定めることがあります(著作者人格権のページも参照)。
職務著作の場合は、会社が著作者なので、著作者人格権も会社が持ちます。
5行政資料
文化庁の説明
文化庁の「著作権テキスト」は、職務著作の条件と、著作権の譲渡・利用許諾について説明しています。
著作権の譲渡は、文化庁に登録しておくと、第三者に対抗できるとされています(第77条)。
出典
- 文化庁「令和8年度 著作権テキスト」 職務著作、著作権の譲渡と登録を説明した部分
- e-Gov 法令検索「著作権法」
6まとめ
まとめ
このページのポイントは、次の4つです。
- ・著作権は、原則として作品をつくった人が持つ。頼んだ人が自動的に持つわけではない。
- ・社員が職務上つくった作品は、条件を満たせば会社が著作者になる(職務著作)。「業務に従事する者」かは実態で判断される。
- ・譲渡の契約で第27条・第28条の権利を書かないと、譲渡した人に残ったと推定される。
- ・著作者人格権は譲渡できない。
ほかの権利
著作者の財産的な利益を守る権利。人に譲ったり、相続したりできる
【試作】このページの条文は、e-Gov 法令検索の原文との確認がまだ済んでいません。順に取得し直します。その後の改正は反映されていないことがあります。引用や判断の根拠にする前に、e-Gov 法令検索で最新の条文を確認してください。行政資料の記載は、各資料の原文で確認してください。このページは著作権制度の一般的な説明で、法律相談や個別の事案についての法的助言ではありません。