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知的財産高等裁判所第1部 令和8年10月8日 令和8(行ケ)10019 判決・請求棄却

トレーディングカードの抽選に関するシステムの特許について、審査段階の補正が当初明細書等に記載した事項の範囲内にないとして、特許を取り消した決定を維持した。

特許取消決定取消請求事件

事案
原告は、「カードシステム」の発明について特許権の設定登録を受けた。特許異議の申立てがあり、原告は特許請求の範囲の訂正を請求した。特許庁は、訂正を認めたうえで、進歩性欠如、サポート要件違反、新規事項の追加を理由に、請求項1及び2に係る特許を取り消す決定をした。原告が決定の取消しを求めた。
争点
審査段階の補正により加えられた、ユーザが取得を選択した(又は選択しなかった)トレーディングカードのデータを「詰め合わせ設定として残らないようにする」処理は、当初明細書等に記載した事項の範囲内にあるか(新規事項の追加の有無)。
判断
特許請求の範囲の記載から、上記の処理は、ユーザ側情報端末が当選情報を表示し、ユーザが取得するか否かの選択をした後に行われることが明らかであるとした。これに対し、当初明細書等には、当選したカードのデータを詰め合わせ在庫から当選リストに移す処理が、抽選結果が表示されユーザが選択する前の処理として一貫して記載されており、ユーザの選択後に当該データを詰め合わせ設定として残らないようにする処理を行う旨の記載は見当たらないとして、補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内のものではなく、特許法17条の2第3項に違反するとした。原告の主張のうち、「ともに」の語義により同時又は並行の処理に限られないとの点と、物の発明であるから時系列の処理に拘泥すべきでないとの点については、請求項が各処理を手順を経て行われるものとして特定している以上、これを採用して処理の順序を問わないとすることはできないとして、退けた。新規事項の追加を理由とする取消しは免れないから、進歩性欠如とサポート要件違反に関する取消事由の当否は結論に影響しないとして、請求を棄却した。
関係条文
特許法17条の2第3項、113条1号、114条2項

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