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知的財産高等裁判所第4部 令和8年9月30日 令和8(行ケ)10029 判決・請求棄却

樹脂製食器を成形する製造方法の特許について、サポート要件違反と明確性要件違反の無効理由を認めなかった審決を維持した。

審決取消請求事件

事案
原告は、「樹脂製食器を成形する製造方法」の特許の無効審判を請求したが、特許庁は請求不成立の審決をした。請求項1は、樹脂製食器を積み重ねた際に上方の食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法で凹凸が形成されたしぼ加工した金型を用いて、射出成形法により皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた樹脂製食器を成形する方法である。原告が審決の取消しを求めた。
争点
特許請求の範囲の記載が、サポート要件(特許法36条6項1号)と明確性要件(同項2号)に違反するか。
判断
サポート要件について、原告は、実施例では内表面積の100%にしぼ加工をした場合しか確認されておらず、30%の場合に課題を解決できるか不明であると主張した。裁判所は、「内表面積の30%以上」は、傷がつきやすい糸尻が直接接触する部位を含む範囲として設定された一つの目安にすぎないと解されるから、30%の場合が実施例で確認されていなくても、課題を解決できると認識できないとはいえないとした。残りの内表面は比較的傷がつきにくい部位であり、その部位の耐傷つき性が向上しなくても、食器全体として向上するという作用効果が否定されるわけではないとした。明確性要件について、「皮しぼ」や「梨地」は、当業者に知られた、多数の微細な凹凸を意味する用語であると理解されるから、凹凸の密度や個数、サイズが記載されていなくても、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確とはいえないとした。取消事由はいずれも理由がないとして、請求を棄却した。
関係条文
特許法36条6項1号、36条6項2号

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