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知的財産高等裁判所第1部 令和8年9月17日 令和8(ネ)10040 判決・控訴棄却

茶の製造方法の特許権侵害訴訟で、構成要件の「嫌気処理した後、好気処理する操作を交互に繰り返した後」の意味を示し、被告方法はこれを充足しないとした原判決を維持した。

特許権に基づく差止等請求控訴事件

事案
「γ-アミノ酪酸含量の高い茶の製造方法」の特許権を有する控訴人は、被控訴人が茶を製造する方法を使用することは特許権の侵害であるとして、特許法100条1項に基づく使用の差止めと廃棄、損害賠償金の一部として1000万円等の支払を求めた。原審は請求を全部棄却し、控訴人が控訴した。
争点
構成要件Bの「嫌気処理した後、好気処理する操作を交互に繰り返した後」はどのような工程を意味するか。被控訴人の方法はこれを充足するか。
判断
原判決を補正して引用し、「繰り返」される対象は「嫌気処理した後、好気処理する操作」であると読むのが自然であり、構成要件Bは、嫌気処理及び好気処理をした後に、更に引き続いて嫌気処理及び好気処理を行うことを意味するとした。明細書にも、繰り返す場合と繰り返さない場合が記載されており、請求項に記載された工程は、繰り返す場合を指すと解するほかないとした。構成要件Cが「嫌気処理を行った前記茶葉」としていることは、前工程が嫌気処理で終わることまで求めるものではないとした。「好気処理」は、特許請求の範囲に時間の限定がないが、明細書の実施例の記載や先行技術文献の記載を考慮して、静置時間を10分から3時間までの間として行うものを指すと解釈することは不当でないとし、また、嫌気処理及び好気処理は茶葉を蒸す前に行うものを指すと解した。これらの解釈が当事者の主張しないもので不意打ちであるとの控訴人の主張に対しては、裁判所は技術的範囲の解釈で当事者の主張に必ずしも拘束されず、被控訴人も原審で関連する主張をしていたとして退けた。被控訴人の方法では、1回目の嫌気処理を施して8時間静置した茶葉が開封され、大気に晒されるものの、早いもので開封から5分以内に次の工程(蒸熱)に移るというのであるから、2回目の嫌気処理に相当する処理も、1回目の好気処理に相当する処理も認められず、構成要件Bを充足しないとして、控訴を棄却した。
関係条文
特許法100条1項

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