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京都地方裁判所第3民事部 令和8年8月6日 令和7(行ウ)31 判決・訴え一部却下、請求一部棄却
共同住宅の建築確認等の取消しを周辺住民が求めた事件で、変更確認により効力を失った当初の確認の取消しの訴えと、審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えを却下し、変更確認の取消請求を棄却した。
建築確認取消等請求事件
- 事案
- 市内の第二種中高層住居専用地域にあり、景観地区に指定された区域の敷地(面積2976.02平方メートル)に、地上5階建ての共同住宅を建築する計画について、建築確認検査機関である被告は、令和6年6月21日付けで建築確認をし、計画の変更後の令和7年1月29日付けで変更確認をした。周辺に居住する原告らは、審査請求をしたが棄却する裁決がされたため、被告検査機関に対し建築確認及び変更確認の取消しを、被告市に対し裁決の取消しを求めて、令和7年11月6日に提訴した。原告らは、本件計画は開発許可を要する開発行為に当たる、一建築物一敷地の原則に違反する、避難経路に関する規定に違反する、景観法等の認定に違法があるなどと主張した。
- 争点
- 建築確認の取消しの訴えに訴えの利益があるか。変更確認は、都市計画法29条1項、一建築物一敷地の原則、避難経路に関する規定、景観法等の違反により違法か。裁決の取消しを求める訴えの利益があるか。
- 判断
- 裁判所は、建築基準法6条1項後段は、変更後の建築計画全体について改めて確認を受けることを求めたものと解され、変更確認がされた場合、既存の建築確認は効力が消滅すると解した。当初の建築確認は変更確認により効力が消滅しているから、その取消しを求める訴えの利益はないとして却下した。変更確認については、開発行為該当性は、開発許可制度の目的に照らし公共施設の整備及び防災上の措置の必要性も考慮して判断すべきであり、被告市の審査基準を参考にするのが相当であるとした。道路は幅員7.06メートル以上の道路に接しており、公園は敷地面積が0.3ヘクタール未満であり、消防水利は消火栓まで120メートル以内にあり、給排水施設は既存の本管があるため、整備の必要性はなく、高さ30センチメートルを超える切土、盛土等も伴わず、生け垣の撤去も地盤に影響しないから、開発行為に当たらないとした。隣接地との一体性の主張は、隣接地で開発行為等が行われているとの証拠がないとして退けた。本件建物は、構造上、外観上及び機能上の一体性を総合考慮して判断すべきところ、各部分が渡り廊下とエキスパンションジョイントで接続され、外壁が共通の仕様で、エントランスやエレベーター等がまとまって設置されていることから、一の建築物に当たるとした。避難経路に関する建築基準法施行令120条及び121条は、居住者が安全に地上に避難できるようにする趣旨の規定で、近隣居住者の個別的利益を保護する趣旨とは解し難いから、行政事件訴訟法10条1項により、これらの違反を理由に取消しを求めることはできないとした。景観法及び条例は建築基準関係規定ではなく、その違反は建築確認の違法事由とならず、安全認定の違法性の承継を認めた最高裁判決とは事案を異にするとした。裁決の取消しを求める訴えは、原処分の取消請求に理由がない以上、仮に理由付記の不備があっても取り消す意味がないとして、訴えの利益がなく却下した。
- 関係条文
- 建築基準法6条1項、建築基準法施行令1条1号、120条、121条、都市計画法4条12項、29条1項、33条、景観法63条1項、行政事件訴訟法10条1項
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