著作権の権利ガイド テーマ別:ライセンス
ライセンス・利用許諾の裁判例(中級)
許諾の範囲と、適法に販売されたコピーの扱いについて、条文と最高裁の判断を論点ごとに見ていきます。
このページの判決文の引用は、裁判所ウェブサイトの PDF をもとにしていますが、原本との文言の照合がまだ済んでいません。照合前の引用には「原文照合前」と表示しています。正確な文言は、各判決の全文で確認してください。
A. 許諾の範囲と、範囲を超えた利用
問い
ライセンスの期間が終わった後も使い続けたら、どうなるか。
答え(要点)
許諾を受けた人が使えるのは、許諾された方法・条件の範囲内(第63条第2項)。範囲を超えた利用は、著作権の侵害になり得る。
第63条第2項により、許諾を受けた人は、許諾された利用方法と条件の範囲内で利用できます。
期間の経過後の利用や、許諾されていない媒体での利用は、許諾の範囲外として、著作権の侵害になることがあります。契約の条件の違反にとどまるか、著作権の侵害になるかは、その条件が利用方法・条件の範囲を定めたものかによって分かれる、と説明されることがあります。
どちらに当たるかは、契約の文言や経緯によって判断されます。このページは一般的な説明で、個別の契約についての助言ではありません。
B. 適法に販売されたコピーの再販売
問い
買ったゲームソフトを中古で売るのは、頒布権の侵害か。
答え(要点)
家庭用ゲームのコピーについて、いったん適法に譲渡されたものは頒布権が消尽し、公衆に提示することを目的としない再譲渡には及ばないとした最高裁判決がある。
映画の著作物には頒布権があり、譲渡権のような消尽の規定は条文にありません。
最高裁は、家庭用ゲーム機のゲームソフトについて、いったん適法に譲渡されたコピーについては頒布権が消尽し、公衆に提示することを目的としない再譲渡には及ばないとしました。
最高裁判所第一小法廷 平成14年4月25日判決(平成13年(受)第952号ほか)
いわゆる中古ゲームソフト事件
事案
家庭用テレビゲーム機用のゲームソフトをつくる[ゲーム会社]らが、ゲームソフトの中古品を買い取って販売する[販売業者]に対して、頒布権の侵害を理由に、中古品の販売の差止めなどを求めました。
ゲームソフトは、映像が連続して映し出されることから、映画の著作物に当たるとされ、頒布権(第26条)の対象になるかが争われました。
裁判所の判断
家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は、いったん適法に譲渡された複製物について消尽し、その効力は、その複製物を公衆に提示することを目的としないで再譲渡する行為には及ばないとしました。
[ゲーム会社]らの請求を認めなかった原判決を維持し、上告を棄却しました。
判決文・裁判要旨から
裁判要旨「家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡された複製物について消尽し,その効力は,当該複製物を公衆に提示することを目的としないで再譲渡する行為には及ばない。」原文照合前
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