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知的財産高等裁判所第2部 令和8年9月30日 令和7(行ケ)10105等 判決・第1事件は請求認容(審決の一部取消し)、第2事件は請求棄却

特許無効審判の審決のうち、請求項1、3、6、11に係る審判請求を不成立とした部分を取り消し、請求項7ないし10に係る特許を無効とした部分についての特許権者の取消請求を棄却した。

審決取消請求事件

事案
特許権者は、タクシー等の運送サービスの精算システム、ホスト端末などに関する特許を有していた。無効審判請求人(第1事件原告)は、請求項1、3、6ないし11に係る特許について無効審判を請求した。特許庁は、特許権者の請求した訂正を認めたうえで、請求項7ないし10に係る特許を無効とし、請求項1、3、6、11に係る審判請求を不成立とする審決をした。第1事件は、請求人が不成立とした部分の取消しを求め、第2事件は、特許権者が無効とした部分の取消しを求めるものである。審決は、先行技術として挙げられた2つの文献に記載された発明のいずれに基づいても、請求項1、3、6、11に係る発明の進歩性は否定されないとしていた。
争点
争点は、審決の進歩性、補正要件(新規事項の追加)、サポート要件及び明確性要件に係る各判断の当否である。具体的には、運転手側の端末に表示した取引特定情報を利用者の端末で読み取らせる構成について、先行技術に周知技術等を適用して容易に想到できたかが問題となった。
判断
裁判所は、第1事件について次のとおり判断した。先行する文献に記載された発明(通信方式により情報を伝達するタクシー運行システム)に、二次元コードを表示して読み取る周知技術と、別の公開公報に記載された技術を適用して、請求項1に係る発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたとした。請求項1を引用する請求項3、6についても同様とした。請求項11についても、先行技術と周知技術(配車アプリでユーザ端末から行先を入力する構成)から容易に想到できたとした。別の先行技術(タクシーチケット決済システム)に基づく請求項1、3、6の進歩性についても、周知技術を適用して容易に想到できたとした。これらにより、請求項1、3、6、11に係る審判請求を不成立とした審決の判断には誤りがあるとして、その部分を取り消した。第2事件については、請求項7ないし10に係る発明は先行技術及び周知技術に基づいて容易に発明できたもので、審決の判断に誤りはないとして、請求を棄却した。請求項7については、ホスト端末の発明であり、管理端末のみを特定する事項は発明の要旨認定から除外すべきであるとし、審決が認定した相違点の一つは相違点にならないとした。補正要件、サポート要件及び明確性要件に関する取消事由、並びに別の先行技術に基づく請求項7ないし11に関する取消事由については、判断していない。また、請求項6について「ユーザ端末から行先が入力可能」とする態様の困難性に関する特許権者の主張は、審決が判断していない事項であるとして、判断を示していない。

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