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大阪地方裁判所 令和8年9月10日 令和7(ワ)1068等 判決・本訴請求棄却(反訴は一部却下、一部認容)

連結具の意匠権侵害訴訟で、優先日前の輸入と事業の準備を理由に、先使用による通常実施権を認め、意匠権者の請求を棄却した。

意匠権侵害差止等請求事件(本訴)、差止等請求権不存在確認請求事件(反訴)

事案
意匠権(優先日平成30年11月6日、登録日令和2年1月22日)を有する原告が、工事業者である被告と、製品を輸入して同被告に販売する商社である被告に対し、3つの製品の製造・輸入・販売等の差止めと廃棄、損害金5500万円の支払を求めた(本訴)。工事業者である被告は、製品の一つについて、原告が意匠権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権、差止請求権を有しないことの確認を求めた(反訴)。
争点
先使用による通常実施権(意匠法29条)の成否。独自の創作か、優先日の時点で事業の実施または準備があったか、類似する意匠にも及ぶか、輸入・販売をした被告にも及ぶか。意匠の類否、無効の抗弁、損害額は、判断されていない。
判断
工事業者である被告は、自ら図面を作成して平成29年6月に製造図面を確定させており、登録意匠と関係なく意匠を創作したと認めた。優先日より前に製品の納入を受け、性能試験も実施していたことから、即時実施の意図があり、その意図が表明されていたといえ、事業の準備をしていたと認めた。意匠法29条の「実施又は準備をしている意匠」には、その意匠に類似する意匠も含まれるとし、他の2製品の意匠にも先使用権の効力が及ぶとした。商社である被告の輸入・販売は、もっぱら工事業者である被告のために、その注文に基づいてされたもので、通常実施権の行使の範囲内に属するとした。反訴のうち、損害賠償請求権と差止請求権の不存在確認は、本訴請求の拡張により訴えの利益を欠くとして却下し、不当利得返還請求権の不存在確認は認容した。
関係条文
意匠法29条

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